「中学生でもエロ本を買える店があるらしい」
「中学生でもエロ本を買える店があるらしい」
僕が中学校に入学してわずか3週間。
4月の中旬ごろ。
僕のクラスでそんな噂が流れた。
当時12歳、中1の僕は、その話にくいついた。
" 中学生でも、エロ本が、買える。"
たしかに、エロ本を売っている本屋はたくさんあった。
学校の帰り道に、立ち読みしようとしたことは何度もあった。
ところが、立ち読みを始めた瞬間に、
本屋の店員のオバサンに注意される。
「中学生は読んじゃダメよ!!!!!」
学校に通報されてはまずいので、
すぐに店員の言うことを聞く。
エロ本を買えない代わりに、
中1の僕は、仕方なく、本屋で
エッチな写真が2-3ページだけ載っている週刊誌
"フライデー" を購入していた。
だが、一つ問題がある。
フライデーはエロ本でなはないが、
家に持って帰ったら、親に不審に思われる。
だから、僕は、駅のトイレ等でフライデーを楽しみ、
きちんと「もとをとってから」、雑誌をトイレに置きっぱにして、家に帰った。
エッチな写真が見られるフライデーは魅力的だったが、
あくまでフライデーは、フライデー。
中1にとってはナケナシの数百円。
それを支払っても、
楽しめるページは2-3ページしかない。
立ち読みではなく、堂々とエロ本を読んで、
豪華にヌキたいなあ!!
そう思っていた。
そんな矢先に、例の噂が流れたのである。
「中学生でもエロ本を買える店がある」
その噂を流していたのは、
クラスでヤンチャなやつで、
僕のことをよくイジったりしていた、
"吉野くん" というやつだった。
吉野は僕と同じぐらい身長が低かったが、
クラスのリーダー的存在のひとりだった。
吉野はすでにその店に行っており、中1にして、
「自分用のエロ本」をゲットしていた。
僕は吉野に聞いた。
「その店はどこにあるの?」
吉野は、簡単には教えてくれなかった。
「いやー、俺も先輩に口止めされてるから、言えないんだよね」
教えてよ、教えてよ!
僕もエロ本がほしくてたまらず、
吉野にごねた。
そうすると吉野は、
「うーん、場所は教えられないけど...
エロ本、買ってきてやってもいいよ?
その代わり...」
吉野が出した条件は、
エロ本の値段「プラス300円」で買ってきてやる、という条件だった。
エロ本を買えるなら、プラス300円ぐらいどうってことない!!!!!
安いもんだ!!!
もちろんいいよ!
じゃあ交渉成立...と思いきや、吉野は、
「ちょっと待って!そういえば、あの店、入場料500円かかるんだよね。だからプラス800円くれよ。」
まじか!
さすが中学生でもエロ本を買える店、
入場料がかかるのか。
中1の僕にとってプラス800円は辛かったが、
エロ本のためなら!
ほかに欲しいものを我慢してでも、エロ本が欲しい!
こうして、交渉成立。
エロ本の値段+800円で、吉野にエロ本を買ってきてもらうことになった。
「じゃあ、明日わたすね!」
その日、吉野と解散し、
いつものように学校から家に帰ると、
心がウキウキしていた。
ついに、エロ本を読める!!!!
明日が楽しみだなあ!!!
そんなことを考えていた、次の瞬間。
僕の自宅の、電話が鳴った。
「はい、もしもし?」
電話の相手は、吉野だった。
「もしもし?」
吉野は親の目を気にしているのか、小声で、こう言った。
「例のブツ、買ったから、明日持ってくね」
「おおおおー!!!!!!!!」
なぜ吉野がわざわざ電話をかけてきたのかはわからなかったが、
僕はテンションが上がって、叫んでしまった。
その電話を聞いていた僕の母親は、不審そうに
「誰?なに?どうした?」と僕に聞いた。
僕はそれを「あ、遊戯王カードの話!」とかテキトーなことを言って、ごまかした。
そして、いよいよ迎えた、次の日の朝。
吉野と僕は、教室の隅っこの、
誰にも見られないところで、秘密の取引をしていた。
吉野は僕に、紙袋に入ったエロ本を渡し、
僕は、吉野に、エロ本代500円+800円、
合計1300円を支払った。
その日は、ほんとうに授業に集中できなかった。
"放課後は、店員の目を気にせず、エロ本を読める!"
それを思うと、授業中も興奮がおさまらず、
ボッキが止まらなかった。
ようやく授業が終わって、その日の放課後。
いつもより早い足取りで通学路を歩き、
駅のトイレの個室に直行した。
そして、紙袋から、エロ本を取り出した。
今でも忘れない。
初めて自分のエロ本が手に入った瞬間だった。
そのタイトルは、なんと!!!
『聖水クラブ』
おしっこ。
スカトロ系のエロ本だった。
スカトロ、なんて言葉も知らなかったけど
そのエロ本は、チン毛もうっすら生えたての中1の僕には最高に刺激的で、
その日はトイレにこもって、まじで血が出るまで、単独ライブを催した。
普段ならば、フライデーをトイレに捨てて帰ったが、
『聖水クラブ』はどうしても捨てたくなかったので、
読んでいた小説のカバーを、
聖水クラブの表紙に無理やり装着して、
中身が見えないようにして、家に持ち帰った。
その後も、家でこっそりと、何度、『聖水クラブ』にお世話になったか数えきれないほどだ。
中1で人生で初めてゲットした
エロ本が、おしっこもの。
あれから
20年。
僕の性癖は、今でも、あの日と変わらない。
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追記:
余談になるが、その後、別の仲間から、
「中学生でもエロ本を買える店」の場所を教えてもらった。
ここに書くまでもなく、その後はその店に何度も足を運ぶことになったが、そこでわかったことがある。
吉野の話に反して、入場料なんてかからないし、エロ本が100〜300円ぐらいで買える、ということ。
吉野は、僕を騙して金儲けをしていたのだ。
嘘はよくないよ。(あ、今日はエイプリルフールだ!笑)
吉野のみならず、当時クラスには、同じようなことをして金儲けをしていた「エロ本ディーラー」がいた。
エロ本を売って喜ぶ奴と、エロ本を買って喜ぶ奴。
これがほんとうのスクールカーストかもしれない。
追記2:
この話は、今から約20年前、2001年の話である。
中学生でもエロ本を買えるあの店も、今ではきっと法律の取締りがきびしくなって、潰れてしまったと思う。
2020年、現在。
スマホ社会になり、なんでも簡単に見られる時代になってしまった。
「エロ本をゲットしたい」なんて思わなくても、スマホで検索すれば、簡単に高画質の映像が見れてしまう。
いい時代になったなぁ、と思いつつも...
エロ本1冊ゲットするのに苦労し、騒いだあの頃が、懐かしくて、あの頃の自分が、いじらしくて、 輝かしくて、たまらないのである。
おっぱい